
Oussama Ammar
株主構成をきれいに保とう
起業家にとって、株主構成の問題は最も厄介な問題の一つだ。プロダクトを失敗しても直せる。ローンチを失敗しても、もう一度やり直せる。メディアへの対応を間違えても、次の記事を良くすることはできる。スタートアップには、意外と失敗から立ち直れることが多い。
だが、株主構成を間違えると、修復は途端に難しくなる。株主構成には、感情と税金という二つの問題が絡んでいるからだ。
事業が動き始めると、共同創業者同士でさえ自由に株式をやり取りできない。起業家はそれを痛い目に遭って学ぶ。どこに住んでいようと、税務当局は株式には価値があり、その価値はゼロではないと考える。
だから、後から誰かの持ち分が少なすぎた、あるいは多すぎたと思っても、調整するのは非常に難しい。さらに、投資家が株主に加われば、その株式にはいわゆる市場価格がつく。
(本題に入る前に一つ。すでに問題を抱えているなら、良い弁護士を探してほしい。株主構成の問題における良い弁護士は、病気における良い医師と同じだ。少し検索した程度で代わりにはならない。がんになったら医師に会いに行く。株主構成で困ったら弁護士に会いに行く。)
だが、問題が起きてから対処するより、最初からきちんと組み立てよう。
第1段階:共同創業者
共同創業者間の株式の分け方として正しいのは、均等に分けることだけだと私は考えている。そうしない理由はいくらでも挙げられる。だが、その理由がもっともなら、それは共同創業チームそのものに無理があるという意味だ。共同創業者間の問題を、不均等な株式配分で解決することはできない。
創業チームは最初から強固でなければならない。株式を均等に分けるのは、長い目で見れば全員が等しく価値を生むと信じているからだ。それが良いチームの土台になる。
断言する。アイデアを出した人が70%、残りの二人が15%ずつという配分なら、いつか誰かが後悔する。株主構成には感情が深く絡む。自分の持ち分に腹を立てながら朝を迎える共同創業者は、会社を沈めるような行動を取り始める。本人が気づかないまま、そうしてしまうことさえある。
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来る日も来る日も、相手の仕事ぶりを見ているあなた。
実際、50対50で株式を分けたいと思えない共同創業者なら、一人で創業したほうがいい。統計上、一人で創業した場合の成功率が複数人のチームより低いのは確かだ。それでも、互いを対等に尊重できず、持ち分にも差がある共同創業チームよりは、一人のほうがいい。
逆に、対等な持ち分に値しない相手に半分を渡しても、スタートアップは潰れる。均等な株式配分は魔法の公式ではない。共同創業チームの人選で間違いを犯していないか、自分に問い直させるための原則だ。
何をつくるかよりも、誰とつくるかのほうがはるかに重要だ。アイデアに執着すると、共同創業者選びでひどい判断をしてしまう。つくるものは変わっていく。だが、一緒につくる人は最後まで隣にいる。創業者同士が決裂したら、離婚の10倍くらい大変だ。離婚に伴う感情的な問題がすべてあるのに、それを和らげてくれるかもしれない親密な関係の蓄積はない。
第2段階:最初の投資家
投資家を迎えるまで待てるほど、より良い投資家に出会える。投資家なしで成果を積むほど、自分の立場は強くなる。市場に出て1か月なら、ごく平均的な投資家が相手になるだろう。1年続けていれば、投資家の質も上がる。
結局、最初の資金調達では、会社の20〜25%を手放すことになる。その25%を節税しか考えていない質の悪いエンジェル投資家に渡すのか、それとも事業にどう価値を加えればよいかを知る経験豊かな投資家に渡すのか。帳簿の上では同じ25%だ。だが、長期的な成功への影響は大きく違う。
要するに、嫌な人間を株主に入れないことだ。
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一度入り込めば、好き勝手に振る舞う。
嫌な人間についてありがたい点が一つある。たいていは、それを隠さないことだ。良い人は自分の良さを隠すことがあるが、嫌な人はかなりあからさまだ。初めて会ったときからわかる。それでも起業家は、相手の性格を気にするよりお金を手に入れるほうが大事だと、自分に嘘をついてしまう。そうではない。
スタートアップでは、お金が絶対に必要なわけではない。資金が尽きたら、資金なしでやっていく。家賃が払えないなら、友人の家に住む。食費がないなら、親の家で食べる。友人も親も頼れないなら、たしかに資金調達が必要な数少ない人の一人かもしれない。だが多くの場合、問題は快適さと自尊心だ。私たちは皆、自分は成功していると人に言いたい。資金調達は、そう言うための格好の材料になる。
その考えが根強いのは、誰がいくら調達したかという記事は大量に読むのに、誰から調達したかについてはほとんど読まないからだ。調達額はわかりやすい指標だが、金額の先まで見なければならない。
しかも、資金を調達すると、お金を使い始める。やがて大きな資金流出が重荷になる。悪い投資家を迎えていたら、その支出を理由に人生を地獄にされる。
問題を避ける最も簡単な方法は何か。出資を受けようとしている投資家について、実際に人に聞くことだ。その人から出資を受けた創業者5人に電話して、どうだったか尋ねればいい。ところが、それをする起業家は驚くほど少ない。心の中ではすでにわかっている答えを、聞くのが怖いからだ。
第3段階:時間がたつと
初期の株主構成を間違えると、後から良い人を迎えられなくなる。なぜか。良い人は、悪い人と関わりたくないからだ。
投資家が出資を断る理由の一つに、本人が決して明かさないものがある。すでに株主にいる嫌な人たちと、一緒に投資したくないのだ。あなた個人への感情ではない。良い投資家は、悪い投資家と組むことで、その相手をお墨付きにしたくない。自分自身について誤った印象を与えてしまう。だから、事業や起業家を気に入っていても、出資できない。
起業家は、株主間契約を使って悪い投資家の実質的な影響力を封じ、法的に対抗しようとするかもしれない。だが、もう一つ秘密を教えよう。そうした書類は、この問題には役に立たない。
悪い投資家が1日に3回電話をかけたいと思えば、それを止められる書類はない。(しかも、人間として、投資家としてひどい相手ほど、まさにそうした行為に長けている。自分の時間を使って人を困らせ、攻撃するのは、悪い人間の大きな特徴の一つだ。)良い人は良いことに時間を使う。悪い人は他人を攻撃することばかり考える。
株主に投資家を迎えることは、単なるお金の問題ではない。会社のDNAの問題だ。自分の耳元で誰がささやくのかに、大きく関わってくる。創業者はいつも、自分は自分で判断できるほど強いと思っている。だが、周囲の人が一日中言い続けることに影響されないほど強い人はいない。
会社のDNAに影響を与える人があなたよりも志が低ければ、あなたの志も低くなる。そして、悪い投資家の志は、常に起業家より低い。
お金よりも、評価額よりも、何よりも、投資家の質を優先するべきだ。優れた投資家が割安な条件で投資できるのはそのためだ。誰もがその実力を知り、その人が会社の価値を高めるとわかっている。
第4段階が必要になったら:しまった
第1〜第3段階で間違いを犯したら、どうすればいいのか。
そこにいるべきでない人が株主にいるなら、株主構成を整理することを優先しなければならない。次の資金調達の際に、その人に退出してもらう方法を探す。調達のたびに株主構成を整える。けちけちせず、相手にも良い条件を提示しよう。間違えたのは自分なのだから、きちんと後始末をする責任も自分にある。
資金が潤沢にあると、創業者はお金を安く見て、それを受け取る責任を忘れがちになる。
契約に署名する前なら、厳しい態度でも、尊大な態度でも、好きにすればいい。だが、契約を結んだら、出資してくれた相手を尊重しなければならない。その人はあなたにお金を渡すことを選び、その分を誰か別の人には渡さなかった。その選択を尊重しよう。良くないとわかっている相手からお金を受け取り、その後で相手が悪いことを相手だけのせいにしてはいけない。
母はいつもこう言っていた。「とどめを刺せない相手を傷つけるな」。(最高の母だ。)いったん投資家を株主に迎えたら、その関係を簡単に終わらせることはできない。だから、傷つけても構わないなどと思わないことだ。
Daedalium に初掲載。