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「仮想の土地は無料であるべきだ!」のイラスト

Oussama Ammar

仮想の土地は無料であるべきだ!

Facebookが2021年にMetaへ社名を変えたことで、「メタバース」への注目が高まった。この言葉には、アバター同士の会議から、体験を共有するデジタル世界まで、異なる構想が含まれていた。The Sandboxは、その中の一つの選択を示した。仮想世界を、数に限りのある土地へと分割する方法だ。

The Sandboxでは、土地の所有者がゲーム体験をつくり、収益化できた。スヌープ・ドッグの「Snoopverse」は、その構想の有名な例だった。誰もが知る人物のデジタルな存在を中心につくる場所である。

だが、2021年の最後の四半期に投機で一区画の価格が1万ドル近くまで上がったとしても、その土地の本当の価値は明らかではない。The Sandboxは仮想世界でありながら、設計の根本で、現実世界と多くの特徴を共有するという強い選択をした。メタバースは理論上、無限にできるはずなのに、土地や資産の希少性を誇っている。

このゲームは、現実世界の不動産ビジネスを意図的に模倣している。メタバースの無限の可能性を生かすのではなく、自ら制約を設けて仮想経済をつくっている。現実の大都市の不動産市場と同じように場所によって価格が変わり、買い手は活気ある生態系の一員になるために割増料金を払う。

投機的に土地を買う人たちが信じているのは、この構想だ。デジタルのゴールドラッシュでは、その土地でできることがまだほとんどなくても、将来の需要への期待だけで価格が上がることがある。

実際には、The Sandboxは現実世界の問題を仮想世界へ持ち込んだ。メタバースで希少性をつくる理由があるとすれば、自分たちの提供するものに本当の価値があると信じきれていないからだ。本来は無限にできる仮想世界に人工的な希少性をつくる目的は、バブルを生むことしかない。

仮想の土地をめぐる議論は、その本質的な価値の話に戻りがちだ。現実と同じようにオフィスを建て、会議を開く企業から料金を取れる、といった曖昧な説明が見つかる。結構な話だ。搾取的な大家や悪夢のような仕切りだらけのオフィスから逃げ出して、ヘッドセットをかぶって同じことをやるわけだ。

メタバースで土地を収益化する機会は、多くあるだろう。だが、その第一の目的が、本来無料であるべきものに課金することなら、成功する仕組みとは言いがたい。課金した人が勝つ仕組みがゲームを衰退させ、大手ゲーム会社まで批判にさらしてきたのには理由がある。露骨な金もうけは誰も好まない。ゲームのコミュニティは、仮想環境の希少性が人工的で不公平なものでしかないと、誰よりも理解している。それでもThe Sandboxと、このメタバースへのアプローチは、所有者と借り手という古い仕組みの再現に全力を注いでいるように見える。少数の裕福な人や初期の参加者に力を与え、普及した後はほかの人々から利益を吸い上げられるようにするのだ。

残念ながら、それこそが広い普及を妨げるかもしれない。土地の価値が主に希少性、場所、スヌープ・ドッグとの近さで決まるなら、人々が時間をかけて土地を開発する動機はほとんどない。価格に賭けて転売益を狙うだけなら、Snoopverseの周囲に残るのは、未開発で面白みのない区画ばかりだ。ユーザーが集まらず、つり上げられた価格が崩れたとき、最後の不運な所有者がそれを抱えることになる。

仮想世界の価値は、利用者がその場所の開発に注ぐ時間と、そこでつくるものの質から生まれるべきだ。人工的な希少性に頼る投機家は、デジタル世界にも物理世界と同じ制約を引き継がせたがっている。

ならば、その夢を壊そう。そして、自分たちの夢をつくろう。

だから、本当のメタバースは違う形でつくるべきだ。

  • 誰もが土地を買い、ミントできる。いっそ惑星でもいい。
  • 惑星の大きさは自由で、拡張にも制限がない。
  • 自分のサーバーかクラウドで、その惑星をホストする。
  • 惑星には.xxxのような固有名を付ける。ただし、すでに商標となっている名前は、その商標の所有者でなければ選べない。
  • 一般公開、会員限定、有料アクセスなど、アクセスの形は自由で、オープンな標準で管理する。
  • 惑星を設定して飾り付けた後は、必要に応じて単一または複数のトークンとして、ほかの利用者に貸し出せる。
  • 惑星をほかの利用者に売ることもできる。買った人は変更や改変を行い、運営のビジネスモデルも変えられる。

このメタバースでは、次のものが価値を生んでほしい。

  • ブランド
  • 芸術
  • 実際に注いだ仕事の証
  • 才能
  • 実用性

価値を生む生態系を支えるなら、投機は悪いことではない。現実の欠陥を取り除き、仮想世界を、豊かな機会のある場所にすることを目指すべきだ。

Daedalium に初掲載。