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Oussama Ammar

パスポートは不要:インターネット国家で事業を始める

スタートアップには、昔から大きな葛藤がある。地元で始めるか、世界に向けて始めるか。

どちらの意見も耳にする。集中すべきだから地元。野心を持つべきだから世界。速く動くべきだから、地元でも世界でも……。

そこから出てくる助言の一つは、よい市場で始めて様子を見ることだ。ヨーロッパなら、オランダや英国で始めて、その先を考えるという話になる。

多くの人には見えていない、ある国家について、私はよく冗談を言う。インターネット国家だ。

インターネット国家とは何か。国境を持たない唯一の国家だ。全員が英語を話す。母語であれ、第二、第三、第四言語であれ。若く、買う準備ができている人たち、アーリーアダプターを自認し、新しいものを試したがる人たちがいる。

一般の人との違いは、粗悪な製品や、まだ準備不足のベータ版に慣れていることだ。完璧でないことを理解してくれる。

役に立つのは、ほぼすべての国にインターネット国家の市民がいることだ。その密度は場所によって違う。しかし国境を、自分の顧客がいる世界の端だと思ってはいけない。アメリカ人、フランス人、イタリア人など、こうした人々は世界中にいる。

では、誰がそこで事業を始めるべきか。すべての企業がインターネット国家に適合するわけではないが、どんな新しい会社にも、そこに適合する道はある。もちろん、ほかより向く製品もある。SaaSやソーシャルサービスなどの仮想的な製品は、物理的な製品より簡単に見える。しかしハードウェアのスタートアップが、この市場を使えないわけではない。Kickstarterには、世界中から支援者が集まっている。

ハードウェアでもソフトウェアでも、探しているのはファンだ。どこの出身かは関係ない

Afrostreamは、インターネット国家に直接向けた製品の一例だった。黒人としての共通のアイデンティティーを持つ、ネットでつながった世界の観客へ映画を配信していた。中心にあったのはフランス映画やアメリカ映画ではなく、黒人の映画という考え方であり、事業上の判断もそれに沿っていた。

インターネット国家が自分に合うと思ったら、徹底しよう。その顧客層を狙いながら、地元の市場にも同じだけ注意を向けようとする創業者を、私はよく見る。インターネット国家を選ぶなら、その選択を中心に事業を設計しよう。

そこには、どう広まるか、どう即席の解決策をつくるか、自分と同じように考え行動する人とどうつながりを感じるかについて、独自のルールがある。ブランドとマーケティングは、特定の国や地域だけでなく、インターネット国家全体に向けて設計しなければならない。特定の場所の人だけでなく、その集団全体に共感されるものを見つける必要がある。

そして覚えておいてほしい。インターネット国家は、文化の同質性でつながっているのであって、多文化のるつぼではない。一人ひとりに個性や物語はある。しかし製品や販売で注目するのはそこではない。全員に共通するものだ。ネットにつながり、好奇心が強く、うまく動くならどこから来たものかを気にしない。その存在は、ある種のポストモダンな個人主義の勝利である。一人ひとりが、共通の場所の中に自分の居場所を見つけるのだ。

ウェブサイトにも、それを反映させるべきだ。インターネット国家を狙うなら、なぜ所在地を載せるのか。人々はチャットやメールで話しかけてくる。どこの出身かを示して、わざわざ自分をローカルな製品にする意味は何だろう。

みんなが求めているのが製品だけなら、郵送先の住所はなぜ必要なのか

働くチームについても、同じように考えよう。Universal Avenueは、国境を越えて仕事を組織する初期の例だった。自分の事業に合うチームの構造を選べばいい。

分散したオンライン事業は、この方法を実際に示してきた。かつての成長段階で、StarOfServiceは120人を超えるチームを作り、その多くは直接会ったことがなかった。Flatは世界中の楽譜の利用者と、各地に分かれたチームを結びつけていた。これは組織の例であり、その構造をそのまままねる必要はない。

これらはほんの数例だ。しかし言いたいことは、どこで始めるかという古い葛藤に、新しい有力な答えがあるということだ。インターネット国家も世界の一部なのだから、使おう :)。

Daedalium に初掲載。